27 二人三脚は無理

だってムリなんだもん

 
結婚式の疲労宴、イヤ、披露宴の司会や挨拶で時々耳にするのが、
 
「これからは二人、二人三脚で人生を歩んで行きます!」
 
でも、正直コレは無理。
 
晴れの門出を祝う気持ちがオマエにはないのかって叱られそうだけど、無理なものは無理なのよね。
 
だって、冷静に考えてみれば解ってもらえると思うけど、二人三脚っていうのはどちらかの右足ともう一人の左足を縛って、さらには肩まで組んで走ったり歩いたりするわけで、二人の歩幅はもちろん、リズムやタイミングがずれるとあっさり二人とも転けるのよね。だから、運動会とかでやる二人三脚レースでは、「いっち、にー、いっち、にー」とか声を掛け合ってお互い相手に合わせようとしながら必死になって転ばないようにしないといけないワケ。
 
こんな状態を実生活のうえで何十年も続けるのは、苦行以外の何物でもないわけで、フツーの人ならまず耐えられなくなるのよね。ま、中には極々希に二人三脚が続けられるカップルがいたりするのかもしれないけど、どんな状況下でも絶対にふらついたりせず、相手と同じペースをキープしながら同じ方向へ瞬時に舵を切れる、よほど強靱な人が二人揃った場合以外はやっぱり無理。
 
離婚になってしまったカップルには、それぞれのワケがあるので全てがそうだとは言わないけど、もし、「二人三脚ができなかった」ということなら、それは当然だと思うワケ。育ってきた生活環境も異なる元々他人な二人なんだから、考え方や行動に違いがあるのは当たり前。それを常に一心同体状態でないと気が済まないようでは長続きするハズがありません。
 
たとえ、双方に全く非がなくても、どちらか一方だけが何かに躓いたらもちろん、疲れて進む速度が落ちたりしただけで二人とも転けるわけ、二人三脚なんかしていると。
 
じゃあ、どうしろって言うのって詰め寄りたくなる人もいると思うけど、私の答えは「手を繋いでいる」ってこと。
 
これなら、少々二人の歩幅が違ったり、進もうとしている方向が違ったりしても転んだりしないし、パートナーが躓いて転びそうになっても握った手を引っ張り上げて助けることもできるわけ。手を繋いで二人の腕の長さ分「あそび」のある関係でいられたらいいんじゃないかって。
 
 
 

(2011.6.12作成)