24 続NSトラブル

悪夢再び

 
うーむ、前編公開からもうすぐ1年5ヶ月が経過しようとしている、、、ま、いいか。
 
それは去年のGW、NSのミーティングに参加しようと阿蘇を目指して松山自動車道を走っている時だったのね。
トンネルに入る手前の登りで少しだけスロットルを開けたらエンジンが付いてこないワケ。「ん?」と思ったら、あの忌々しいヤツがまたもややってきたのね。
 
そう「タコ踊り」
 
前回のトラブル以来、ATACの挙動不審はとりあえず走行に支障がないので放置プレイしていたけど、「タコ踊り」は燃料系のトラブルが原因で解決したと思ってたのね。
 
ま、たまに片肺になりかけたりしていたけど、そんなのは時々あることなのであまり気にはしていなかったワケ。
もちろん、23年を越えるバイクなので不安がなかったと言ったらウソになるケド。
 
で、ほどなく
 
「すぱん!」「ぱーん!」
 
ってアフターファイヤー攻撃に見舞われ、あえなく石鎚SAにピットイン。
 
感じから言ってリアバンクが怪しいのでプラグを買ったばかりの新品に交換することに。SAの二輪駐車スペースでロアカウルを落として作業したんだけれど、ハズカシーのよねぇヤッパリ。ちょうど作業をしている私のすぐ横にいたCBR250R乗りの人が話しかけてきて少し紛れたけど。
 
とりあえず作業を終えてキックペダルを踏み降ろすと、あっさりエンジンは始動してアイドリングも悪くない。でも、きっとダメなんだろうと思いながら走り出すとヤッパリダメなのね。
 
あ〜あ、これでは阿蘇はおろか四国を出るのも無理、つーか、また救助を呼ばないといけないのかぁ(泣)
しゃーないので、次のインターまで走ってたらやっぱり、
 
「すぱん!」「ぽん!」「ぱーん!」
 
おーやだやだ(汗)
 
ふとバックミラーを見ると先ほどのCBR250Rが見えた。速度を上げたり下げたりしながらフラフラ走る私を追い越していくのかと思ったら、距離をおいて付いてくる。どうやら私が走行不能になるかもしれないと気にかけてくれているみたい。CBR250Rさんありがとうですぅ。で、何とかインターのランプまでたどり着いたのでCBR250Rさんに合図してインターを降りた。
 
さて、そこから自宅までのながーい道のりの始まりなのね。
 
まず、ガソリンスタンドにピットイン。前後両バンクのプラグキャップを外してコードを1cm程切ってみるけどダメ。しばらく我慢して走っているとバイク屋さんが見える。オイルランプがちらつき始めてたのもあったのでピットイン。
 
一応診てもらったけど、その時はまだ低回転域では特に問題ないし、状況からいってその場でどうこうできるようではないということで再び走り出したのね。本当のことを言うと、この時点では、まだ阿蘇行きを諦めきれていなかったのね。優柔不断というか未練がましいというか、ま、そういう気持ちだったのよね。
 
で、そのバイク屋さんではこれといった2stオイルがなかったので、またしばらく我慢して走ってまた別のバイク屋さんにピットイン。
 
エンジンオイルは、この数年間カストロールを使っていたけど、何となく純正に戻したい気持ちになっていたのでGR2を指定したら、倉庫を探さないといけないらしいので、その間にロアカウルを落としてATACのソレノイドから出ている配線コネクターを外してフレームにテープで固定。無駄とは分かっていたけどATACの挙動不審のせいにしたかったのね。だってコレで直ったら阿蘇へ行けるかもしれないじゃん。
 
しばらくしてバイク屋のマスターさんがGR2はなかったと言ってカストロールの同じ銘柄を持ってきてくれた。
 
で、NSの症状をマスターさんに話したらイグニッションコイルが怪しいとの話をその原理と共にしてくれた。もちろん、その場でどうにかなる状況ではないので、また走り出すけどやっぱりダメなのよね。
 
さすがにこの時点で阿蘇行きを諦めることができたので、しばらく走って見えてきた喫茶店で休憩&昼食をとることにしたのね。実は、出発前にwebで熊本のホテルを予約したばかりなんだけど、ここでようやくキャンセルの電話をすることができたのよね。まったく諦めが悪いというかなんというか、、、。キャンセル料50%を覚悟して「トラブルのため行けません。ごめんなさい。」と電話したら「今回は特別に」ということでキャンセル料なしにしてくれたのね。ありがとう。今度熊本方面へ行くときは利用させてもらいます。
 
そうこうしながら帰ったワケだけど、途中で完全に片肺になってしまったのね。地元ではかなり有名な、とある饅頭屋さんにピットインした時にリアバンク側のサイレンサを触ってみたら冷たーくなっていた。
 
こうなると、ある意味安定はしているワケだけど発進は軽のオバさんも苛つく加速の悪さだし、エンジンに不要な負担は掛かるしいいコトは何一つもない。でも、また家に辿り着けないのはあまりに悲しいので我慢しながら燃費リッター7km台という新記録をマークしながら帰ってきたワケ。
 
帰宅した後、FSに乗り換えてナイトランして午前0時今治発のフェリーに乗れば、ミーティングに参加できるけど流石にそんな元気はありましぇん。(後で知ったんだけど、このフェリー航路は廃止されていたのね。行かなくてよかった。)
 
でも悔しいのは変わらないので、イグニッションコイルを交換してみることにしたのね。
 
実は、私のNSは今までに2回リアバンク側のイグニッションコイルが不良でトラブルを経験しているのね。どちらも一般道上で、いきなり片肺状態だったので大事には至らなかったんだけど、ついでにフロントバンク側のイグニッションコイルも同時に交換していたのね。
 
だから、自宅捜索をすると交換で外したフロントバンク側のイグニッションコイルが2本出て来たワケ。
リアバンク用の長さに切り詰めて交換したら何とか復活できたのね。ま、結構な距離を片肺で走行していたので白煙がヒドかったケド。
 
ということで、下に忘備録として2009.5.4の掲示板書き込みのコピーしておこう。おっと、その後、今年の5月に九州ミーティングへの参加は果たしたワケだけど、帰る日の朝「それではまたお会いしましょう。」と見送ってもらった直後に片肺に、、、(泣)ガソリンスタンドまで片肺走行して給油とプラグ交換したらあっさりと直ってその後は問題なく帰宅できた。どうやらこの時は燃料が少なくなっていたのが原因だったらしい。うーむ一筋縄ではいかないのよねぇ。
 
 
以下、掲示板のコピー。
 
<発生時期等>
2009年5月2日
ATACの異常動作は修まらないまま出発
高松から高速自動車道を走行して石鎚SA少し手前にさしかかった時
 
<症状&対応>
1)登りでスロットルを開けたが、吹け上がらないと思った直後に「タコ踊り」と「エンジンの息継ぎ」発生
2)ほどなく「アフターファイアー」発生
3)だましだまし走って石鎚SA到着、リアバンクのスパークプラグを新品に交換しても効果なし
4)高速自動車道を降り、アイドリングでは安定しているようでも、発進しようとするともうダメ状態
5)「タコ踊り」「エンジンの息継ぎ」「アフターファイアー」の三重苦に悩まされながらだましだまし走行
6)ATACソレノイドからの配線コネクタを外してみるが、やはり効果なし
7)時々思い出したように一瞬だけリアバンクが回復している感じ
8)症状が落ち着いたと思ったら、完全に片肺状態(リアバンクがアウト)
 
<診断結果&対策>
1)帰宅途中に寄ったバイク屋のマスターさんの話を聞いて、イグニッションコイルがアヤシいと思い始める
2)帰宅後、自宅にあったフロントバンク用のイグニッションコイルを加工して交換
3)出発時点より快調な感じの吹け上がりで、ATACの異常動作もウソのように止まる
 
 
<考察>
イグニッションコイルは、熱や経年で劣化や断線が進むと十分な電圧を発生できなくなったり、高回転域に必要なタイミングで電気を送ることができなくなるので、アイドリングで安定していても走り出すと失火を招き「タコ踊り」や「アフターファイアー」を起こすというのが帰宅途中に寄ったバイク屋のマスターさんの話でした。
 
実は、私は今までにこのNSでリアバンクのイグニッションコイル不調による片肺を2回も経験しています。
その時は、どちらも一般道走行中で、いきなり片肺状態でした。
その都度、両方のイグニッションコイルを交換していたため、自宅には2本のフロントバンク用イグニッションコイルがあったのです。
フロントバンク用のものをリアバンク用のものの長さに合わせて短く切り、耐熱チューブ等をうまく皮むきすればOKです。
ただ、同じリアバンク用イグニッションコイルでも、本体側に接続するギボシ付きの短いコードが外れないものもあるので、その場合はコードを自作する必要があるかもしれません。
 
では、なぜ、リアバンクのイグニッションコイルばかり不調になるのでしょうか?
それは両イグニッションコイルの位置に関係があります。
NS250Rのイグニッションコイルは、リアバンクシリンダの右斜め後ろにあって、右側にフロントバンク用、左側にリアバンク用が並んでいます。
つまり、リアバンク用のイグニッションコイルは、リアバンクシリンダに近いのでその発熱の影響を受けやすく、フロントバンク用のは逆にリアバンク用の陰になって熱の影響を受けにくいというわけなのです。
 
イグニッションコイルの劣化や断線によってスパークも弱まり、パワーダウンもするのは想像に難くありませんが、その症状は通常じわじわと進行するので分かりにくく、片肺や今回のような症状が出て気がつくのではと考察します。
昨年秋の浜松から帰路に起きた「タコ踊り」の原因の一つもコレだと思われます。
 
今回のように「タコ踊り」に始まる複合症状に惑わされたとはいえ、経験が生かされていないことを痛感しました。
 
 

(2010.9.28作成)