17 フリーマーケット

結構面白い

 
昨年の夏前、初めてフリーマーケットに出店した時のこと。
 
お祝いやお悔やみのお返しとして貰ったまま何年も使われていないバスタオルや雑貨を大きめの段ボール箱に詰めて会場に行ったら、まだ箱から何も出していない内に奥さん風の人から、
 
「タオルある?」
 
って聞かれたので、「いくつかありますげど、、、。」と言って出店のためブルーシートを敷いていてふと見ると、数人の奥さん方が勝手に箱を開けて中を物色しているではないかっ!
 
(おいおい)である。
 
中には何個か選び出して、
 
「これいくら?」
 
その勢いと段ボール箱に群がる様子は、さながらハイエナである。
 
もれ聞こえてくる彼女たちの話から、タオルは模様や色合いで人気不人気があるらしい。転売目的なのか、それともタオルコレクターなる人種が存在するのか。
 
出店準備もできないままにいくつかタオルを売り渡して奥さん方の波をやり過ごし、ヤレヤレこれでゆっくり準備ができるわいと思っていたら、今度は見るからにヲタク系の人が音もなくやってきて、
 
「フィギュアとかあります?」
 
ときたモンだ。「いえ、ありません。」と答えると彼は音もなく去って行った。
 
 
ここまで読んでピンときた人は スルドイ。
 
そう、フリーマーケットで本当に掘り出し物を手に入れたいと思ったら、出店準備の時間に行けばいいのである。
 
ところで、我が国においてフリーマーケットと言えば「free market」自由市場と思っている人が多いと思うんだけど、英語でフリーマーケットを意味する言葉は「flea market」つまり蚤の市が本来。でも、国内ではどちらでもOK。
 
さて、フリーマーケットではワタシのような素人一般人も沢山いるが、中にはいかにも業者と思しき人も出入りしている。気になったのは、半分業者で半分一般人のような匂いを醸し出して出店している家族。
 
並べている物は売れ残りっぽい新品のおもちゃや雑貨、Tシャツやアクセサリー。出店や閉店の段取りもソツがなく、あちこちのフリーマーケットに出店しているのだろうか、同じような匂いのする人と親しく話をしていて、なんとなく、これを生業としているのではないかと思えたりする。
 
ひょっとするとフリーマーケット業界というのが存在するのかもしれんなぁ。
 
家にある不要な物を片づけたいのが主な目的で、ほとんど思いつきで参加したフリーマーケットだったが結構面白かった。途中、他の店を廻って2人組のおねーちゃんから某有名メーカーの体脂肪計をたった300円で手に入れたりもできた(嬉)
 
フツーの店で実際、オーナーや店員になってみることは難しいけれど、フリーマーケットなら簡単にできる。そして、いつもとは違った視線で、いつもとは違った世界を覗くことができたりする。あなたもちょっと変わった体験をしたければフリーマーケットに出店してみたらどう?
 
 

(2008.5.18作成)