5 続キケンな話

知っている所に知らないコトが、、、

 
それは私が体調を崩し、仕事を休んでいたある夏のコト。
 
自宅の隣でちょうど新築工事が真っ最中。トンカン、コンカンと騒々しいので家から脱出しようと考えMY軽CARに乗り込んだ。
 
しかし、普段、週末の足として活躍しているこの軽CARにはなんとエアコンが装備されていない。季節は真夏、田舎に住んでいる私は、どこか近くに静かで涼しい場所はないものかボーッとした頭で考えていた。
 
「そうだ、あそこならいいに違いない。」と思いつき、近くのとある史跡へ続く横道へと軽CARを進めた。そこは、道の両側に木立が続いていて日陰が多く、海から近いため風通しもいい場所なのである。
 
ちょうど道の海側に軽CARを1台留めれるくらいの待避所があるので海へ車の頭を向け駐車、窓を全開にしてシートを倒し昼寝の体制に入った。思ったように木陰は涼しくサワサワという葉ずれと潮騒に包まれいい感じだ。これは良い場所を見つけたと思っていたのに・・・。
 
ほどなくすると、1台の軽CARが近くに留まり、30代の男が降りてきて私の車の背後を行ったり来たりしている。「何じゃ?」と思っていたら、しばらくして原付に乗った50代前半だろうか、普通のサラリーマン風のおっさんがやってきて、私のすぐ近くに原付を留めて話しかけてきた。
 
お「こんにちは、今日は仕事お休み?」
私「ええ。」
お「この下に何があるか知ってる?」
 
この下とは、私が車を留めている所から暗い木立の中を海へ下って行く小道の先を指している。
 
私「海があるんとちゃいます?」
お「いやいや、この下には、大人の男の楽園があるんや。」
私「?」
お「つまり、男同士で快楽を求め合う場所。」
私「!」
お「みんな、すぐ横で他の人らがヤッているのを気にせず楽しんでるんや。」
私「!!」
 
なんと、そーいった趣味の人たちが集う「楽園」の入り口に私は車を留めて昼寝をしようとしていたのである。(汗)
 
お「あのにいちゃん(=さっきウロウロしてた30代の男)も同じ趣味。」
私「!!!」
お「いや、アンタも同類かと思ったんやけど・・・。」
私「イ、イエ、ワタシハチガイマス。」(大汗)
お「いやー、でも一度その味を知ったら忘れられんようになるでぇ。」
私「そ、そ、そうですか。」(滝汗)
お「どう?経験してみる?」
私「イ、イエ、ボ、ボクは結構です。」(大滝汗)
 
その時、人の気配を感じ振り向くと、短パンに麦藁帽子を被り、ゴザとビーチマットを小脇に抱えた別のおっさんが例の小道へ入って行こうとしていた。
 
振り向いたその顔は、あろうことか、そこから300kmも離れた出○大社で2回も私に声を掛けてきたあのおっさんであった。(怖)
 
またもやその場を逃げるように立ち去り事なきをえたのである。
 
世の中、どこに何があるか分からない。十分に気を付けなくてはならないのだ。
 
 

(2007.10作成)