2 電気炊飯器考

炊飯器の進化ってどうよ

 
ずーっと以前、ヨメさんが道具として持ってきた我が家のメイン炊飯器が壊れました。その時は、内釜のテフロン皮膜が剥がれて交換して1万円も掛かりました。何年かして次はマイコンチップが故障、この段階で買い換えるか悩んだんですが、なんとなく勿体ない気がして修理したら8千円も掛かりました。
 
そして、しばらくすると、また内釜のテフロン皮膜が剥がれてきだしたのであります。なんとなく体に悪そうでイヤだったんですが、何だかんだと使っておりました。
 
でも、とうとう炊き上がったにも関わらず加熱が止まらないというキケンな状態になったのであります。いつまで経っても止まろうとしない炊飯器くんに不審を抱いた母親がその暴走を止めたところ、ご飯の内釜に面した部分全てが綺麗におこげになっておりました。
 
で、出かけたついでに某大型電気店へ、おニュー炊飯器を買いに行ったんですが、これが凄い。なにが凄いといってその選択肢の多さ。店内には、大きく分けて1升炊き、5.5合炊き、3合炊きの陳列コーナーがあり、それぞれに数十台も並んでいます。デザインも昔ながらのものからスペースシャトル内で使用するのではと想わせるようなモノまで。
 
そして、その価格帯の広いこと、下は5千円ほどから上はなんと、6万円もするのまであります。たかが電気釜のくせに6万もするような高級機っていったい・・・。
 
古米でもまるで新米のようなご飯ができあがるのか? いやいや、そんなのは備長炭1本で十分である。米を研がなくてもおいしくできる機能がついているのか?これも「無洗米」なるモノが存在する現在のニッポンにおいては、べつにどーってことはない。よく見ると今回我が家で買った5.5合炊きの1万5千円ほどのやつにも「無銭米」メニューなるものがある。
 
さらによーく説明書を見ると、どうやら「早炊き」という機能があって通常48分かかるのが、28分程でできるらしい。ということは、高級機にはターボチャージャーか何かが内臓されていて3分でご飯が炊き上がるのか? いやいやまてよぉ、ひょっとすると2合しか米を入れなくても5合のご飯が炊き上がったりするのかもしれんなぁ。
 
話は逸れますが、洗濯機は昔と今では隔世の感があります。洗濯物と洗剤を入れてボタンを押せば洗濯物の量に合わせて適量の水が送り込まれ、洗濯、脱水はもちろん、そのまま乾燥までできるものまであります。その内、洗剤も洗濯機内にまとめて入れておき、洗濯機が自動的に適量を使用して、残りが少なくなったら、「そろそろ洗剤を追加してください。」としゃべったりするのが出てくるとワタシは考えています。いや、既にあるかもしれません。
 
しかーし、炊飯器はどうでしょう。確かに、保温ができるようになったり(いつからのこっちゃ。)、お粥や炊き込みご飯が炊けるようになってはいますが、基本的には「ご飯を炊く」機能しかないように思うのですが・・・。「今までと比べておいしく炊き上がります。」という感覚にうったえる性能を宣伝してますが、洗濯機だって「大切な衣類をやさしく洗い上げます。」や「脱水がいいので洗濯物が早く乾きます。」みたいな同様の性能を身につけてきております。
 
洗濯機のことを思えば、ふつうの米を入れてスイッチさえ押せば、勝手に水が入ってきて米を研ぎ、水を入れ替えて、入れられた米の量に最適な水量に自動調整し炊きあげ、混ぜてまでくれたりする高機能炊飯器があってもいいように思いませんかぁ。そーなると、炊飯器は水道に繋がっていないといけないわけですが・・・。
 
さらに話は逸れますが、冷蔵庫の中には、裏で水道と繋がっていて(裏で繋がっていても別にアヤシイ関係ではありません。)氷が減ったり無くなったりすると自動的に製氷するものを外国で見たことがあります。我が家のにも自動製氷機能はありますが、冷蔵庫内のちっちゃいタンクにいちいち水を入れてやらないといけないという使い物にならないやつです。たぶん、国内の冷蔵庫は同じような「使えん仕様」だと思いますが間違っていたらごめんなさい。
 
話を炊飯器に戻しましょう。「米研器」という米を研ぐだけの機械が売られているのになぜ、前述の冷蔵庫のように裏で水道と繋がっている手間いらずの全自動炊飯器が開発されないのでしょうか。それは、冷蔵庫や洗濯機みたいに一度据え付けたら動かすことのないものではないという理由だけではなく、たぶん、タイマーで炊飯をセットした時間に断水があった場合、米だけを空だきして炊飯器が爆発、台所中にポン菓子が飛散するという悲惨な状態になるからではないかとワタシは考察するのであります。
 

(2002.10作成 2007.07加筆校正)